【6月の店主のよもやま話】進化しつづける才能













【6月の店主のよもやま話】
進化しつづける才能

公開を楽しみにしていた映画「碁盤斬り」を 観ました。落語が原作で、予告編で思っていた あだ討ち劇とは一味違う面白い話でした。



主役の武士を演じた草彅剛は、圧倒的な存在 感と静から動の感情の発露が見事で、今年の映画賞を総なめにするかも。大河や朝ドラ、連ドラのどれでも同じキャラクターではない 役になりきった演技に魅了され、アイドル出 身ながら現代の名優になったと感じました。



映画公開前の宣伝ではテレビに多く出演し、 見ていて引いてしまう程いつもハイテンショ ンでこれまでの映画俳優とは違って飄々として軽い。五十近いのに老眼と無縁なのを尋ねられ、いつも遠くをにらむようにして見てい ると冗談めかして答えていました。「みんな知 ってるけど、やってないでしょう?」と。



役作りなんてしない、台本は読み込まないと言っていましたが、人には見せないストイックなルーティンがきっとあるはず。ちょっとあのイチローに似たキャラクターにも思えます。どんどん進化していく役者・草彅剛がこれか らも楽しみです。